線路上を列車が走ることで生じる線路のゆがみをミリ単位で線形整正を行う大型保線用機械がマルチプルタイタンパー(通称:マルタイ)です。
マルタイは、作業装置で線路を持ち上げ、左右方向に移動させ、まくらぎ下の道床を高圧力でつき固めることにより、1㎜単位で線路の線形を正しく整え、列車の快適な乗り心地を維持しています。
マルタイがつき固めた後に、道床バラストの掻き込み、整理作業を行う大型保線用機械が道床整理車です。
道床整理車は、マルタイによる線形整正作業後の道床の形状などを整え、ブラシによりレール内外のバラスト清掃も担当しています。
道床整理車の導入により、マルタイ作業後の道床整理が大幅に効率化されました。
道床バラストの交換工事などの翌日には、営業列車の走行により道床に初期沈下が生じこれにより線路のゆがみが発生する場合があります。
この初期沈下を抑えるために導入されたのが道床安定作業車です。
マルタイ・道床整理車による作業の後、振動により道床に初期沈下を与え線路状態の安定化を図り、工事翌日の「のぞみ」285km/h走行に貢献しています。
日々変化していく軌道において線路保守の施工方法に正解はなく、1mmの妥協も許さないより良い線路に仕上げられる知識や技術、意識を持った技術者は会社の宝であり、更に磨き育てることを目標として努めています。
自分がメンテナンスした軌道をドクターイエローが検測を行い、検測結果のチャート(波形)を見て綺麗な軌道に仕上がっていると達成感があります。
限られた時間の中で、1mmでも改善され、良い状態が続くように、事前の調査や、間合いの中で施工できる方法や準備作業などを綿密な打ち合わせを実施することで、計画通りに施工できるようにしています。
私たちはマルタイの業務においてチームで仕事を行っています。チームとして目標に向かって役割をまっとうし、お互いをカバーし合い1mmのゆがみを限りなく0mmに近づけれるように日々努力し仕事をしています。
施工前は悪い箇所が良くなっていると施工した甲斐があったなと感じ、この積み重ねが東海道新幹線の安全・安定輸送に繋がっていると思います。
たった数mmの線路の歪みによってお客様にとって不快な動揺となる原因となってしまうため1mmでも理想の線路に近づくようにと心がけています。